2012/03/11

いまこうして生きていることの偶然性について再認識したこと

 今日は、妻と「自転車泥棒」(1948年、ヴィットリオ・デ・シーカ監督)を観に行った。8年前に一度観たきりの作品だが、それ以来、主人公のお父さんと息子が、私の心の隅っこでひっそりと生き続けている。そんな映画だ。

 上映予定は14時30分だったが、時間になってもなかなか始まらない。首を傾げていると職員が現れ、「今日は3月11日。東日本大震災からちょうど1年が経った日だ。そこで、14時46分(地震発生時刻)に1分間の黙祷を行いたい。観客の皆さまには申し訳ないが、映画の上映開始は14時47分としたい」という説明があった。場内に不満の声は出なかった。

 また、昨日、NHK交響楽団と小曽根真さんのコンサートに行ったところ、指揮者の高関健さんから、「最初に演奏する「G線上のアリア」は、東日本大震災で亡くなられた方々に捧げたい。恐縮ながら拍手はご遠慮願いたい」との前口上があり、演奏後に黙祷を捧げられていた。

 人生は楽しいことばかりじゃないけれど、それでもしっかり生きていこう。
 そうしないと申し訳ない、と思った。

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